新型コロナウイルス感染症拡大の緊急事態に企業はどう対応する?産業医のプロフェッショナルにきく「新型コロナウイルス感染症対策とBCP」企業活動継続のために求められる産業医の”役割”と”重要性”

「産業医サポートサービス」で企業の健康経営を支援する株式会社エムステージ(東京都品川区、代表取締役:杉田雄二)は、産業保健の専門家に行ったインタビュー「緊急事態における産業医の“役割”と“重要性”~“新型コロナウイルス感染症対策とBCP”」を当社の運営するウェブメディア「サンポナビ」に公開しました。内容は「緊急事態の今、求められている産業医の役割」について、産業医科大学衛生教授の浜口伝博氏らによって設立された「産業医アドバンスト研修会」理事・東海大学医学部公衆衛生学教授の立道昌幸氏、株式会社丸井グループ執行役員・産業医の小島玲子氏、当社の産業医で予防医学専門医師らへ行ったインタビューや見解をまとめたものです。新型コロナウイルス感染症の拡大により、企業はBCP(事業継続活動)を視野に入れた活動が求められる段階にあります。企業活動を継続していくためには、感染症対策における正しい知識をもち、企業の相談先となる産業医の存在が必須であり、企業は産業医と連携した産業保健活動の徹底と、BCPを踏まえた対策が必要です。

■情報発信の背景

働く人の健康を支える「産業保健活動」は、従来、特にここ数年は、「働き方改革」や「健康経営」の推進で注目され、取り組みを強化している企業も多くなっています。一方で新型コロナウイルス感染症の拡大により、産業保健活動の中心である産業医が、企業への訪問をキャンセルするなどといった理由から、当社への相談や対応依頼など、企業からのSOSの声が殺到しています。情報が錯綜する今、継続した企業活動をしていくための適切な対応策や、感染症に関する正しい情報を持つ産業医への二ーズが高まっています。

新型コロナウイルス感染症対策について、企業には的確な判断が求められている今だからこそ、専門家である産業医との連携、さらに今後はBCPを視野に入れた産業保健活動が不可欠です。

今回の情報発信は企業の健康経営を支援する当社の責務と考えています。多くの企業の産業保健活動が充実し、新型コロナウイルス感染症対策の参考になれば幸いです。

■記事要約 

『緊急事態における産業医の“役割”と“重要性”~新型コロナウイルス感染症対策とBCP』
(全文は「サンポナビhttps://sangyoui-navi.jp/blog/286」にて掲載しています)

【緊急時における産業医の役割~プロフェッショナルな産業医を育成する機関「産業医アドバンスト研修会」の見解】
「産業医アドバンスト研修会」は産業医科大学産業衛生教授であり、グローバル企業にて統括産業医として活躍する浜口伝博氏らによって設立された「プロフェッショナルな産業医」を育成する機関である。先日、理事の立道昌幸氏(東海大学医学部公衆衛生学教授)からは、新型コロナウイルス感染症に関する企業の対応として産業医との連携が重要になることが公表された。

“(中略)企業では、このような感染症対応については産業医が中心的な役割を持ちます。BCP事業継続計画(Business Continuity Plan)は、2009年の新型インフルエンザの時に大体の企業は策定していますが、それを今見直しているところだと思います。そのためには、まずは、正確な情報を産業医が理解し、わかりやすく会社に説明することが求められます。そして、どのような対応が必要なのか、企業に即しての対応が求められます。“(発表内容より引用)

このように企業としてはBCP(事業継続活動)を視野に入れた対策を行っていくことが大切であり、それを支援する産業医には中心的な役割として活動することの重要性が述べられている。

【BCPのフェーズを視野に入れた、経営的判断における産業医の必要性―小島玲子氏(株式会社丸井グループ執行役員・統括産業医)】
株式会社丸井グループは「健康経営銘柄2020(経済産業省)」にも認定されているヘルスリテラシーの高い企業である。同社の執行役員であり、統括産業医でもある小島氏は、新型コロナウイルス感染症の企業対応について「今後のフェーズでは、BCPの観点から経営的な判断が必要であり、そのためには産業医との連携が不可欠」だと語る。

また企業活動については「今回の新型コロナウイルス感染症の対応として、企業活動のすべてを“自粛する”という形で対応することに対しては慎重になるべきだと考えます。その理由は、企業が正常に機能しなくなってしまえば、社会における経済活動や人々の生活に、必要以上に大きな影響を及ぼしてしまうからです。産業医は最新の医学的情報の収集に努め、企業は産業医から医学的エビデンスとそれに基づく見解を提供してもらい、衛生委員会など様々なチャネルを通じて職場で必要な情報を共有することが必要です」と話す。

そして「企業の経営層や各事業の責任者等は、産業医の知見を取り入れ、さらには就業などに関する判断についても連携して行い、BCPの視点からさまざまな問題に対応していくことが大切」と続けた。

感染者の発生による事業場の閉鎖、企業の活動停止という事態を避けるため、また、被害を最小限に抑えるためには、経営の視点からも新型コロナウイルス感染症に対応していく必要があることは間違いないだろう。

【新型コロナウイルス感染症対策における産業医の実務―予防医学専門科(株式会社エムステージ所属産業医)】
株式会社エムステージより現在複数の企業にて産業医を担当している予防医学専門の医師によれば「新型コロナウイルス感染症の対応時こそ、日頃行っている産業医の活動が効果を発揮する」という。例えば、衛生講話を通じた保健活動。産業医が新型コロナウイルス感染症に関する最新情報を提供することや、手洗い・うがい・マスクの使用法など、個人における予防法を正しく伝えることが効果的である。

職場巡視も新型コロナウイルス感染症の対策では欠かせない活動だ。職場巡視では換気の状態、従業員の密集レベル、気温・湿度が適切かどうかといった判断を産業医が行い、企業に適切な改善策を提示する役割がある。

今後の企業対応としては、BCPの策定も課題となってくることが予想されるが、2009年に発生した新型インフルエンザに対応するBCPをバージョンアップしつつ、適応させていくことも有効であるという。
そして新型コロナウイルス感染症の対応に関する一連の対応について、産業医と連携して乗り越えることができれば、企業と産業医の信頼関係も強固なものになり、終息後の産業保健活動にも良い効果を表すことになるだろう。

新型コロナウイルス感染症によってもたらされた“緊急事態”だからこそ、医療の専門職である「産業医」の存在に注目が集まっている。
我々の「働き方」にも多大な影響を与えている新型コロナウイルス感染症。今後、事業継続活動を行う上でもキーマンとなる産業医の活躍に期待したい。

■今後の予定

・CSRの一環として、新型コロナウイルス感染症対策に関する衛生講話資料の無料提供
(当社運営ウェブメディア「サンポナビ」の「お役立ち資料」ページ(https://sangyoui-navi.jp/library)内で提供予定)
・新型コロナウイルス感染症に関する正しい情報発信を専門家と協力しながら継続
・各企業の要望に合わせた産業医の紹介から、産業保健活動の運用のサポート(「産業医サポートサービス」)
・ICTの活用によるオンラインで衛生委員会を行うためのシステムの提供

■「産業医サポートサービス」について

https://sangyohokensupport.jp/
企業へ課題のヒアリングから各企業の状況にマッチした産業医を紹介し、選任後は当社の専門コーディネーターが産業保健活動をサポート。「産業医に何をお願いすればよいかわからない」という企業担当者の悩みを解決します。嘱託産業医の業務管理システム「M Connect」では、企業担当者・産業医・コーディネーター間で産業保健の業務管理を行うことができます。産業医の訪問日程・業務内容の共有や報告書の授受、健診結果の管理、二次健診者の進捗管理、機密情報をアクセス者限定で保管するといった機能があります。
企業に対し、産業医を紹介して終わりではなく、継続して意味ある産業保健活動ができるよう、オンライン・オフライン双方でサポートしています。

■「サンポナビ」について

https://sangyoui-navi.jp/blog
はじめる、つづける、変わってくーー企業の大切な資産である従業員が健康に働き続けられるように、企業の産業保健に役立つ情報を発信いたします。

コンテンツ例:
職場の課題への処方箋(新型うつ/大人の発達障害/再休職させない復職)
産業医は見た!産業医が見る職場の課題をレポート
健康経営実践企業レポート
ストレスチェック義務化で露呈した、産業医の実態

■エムステージについて

https://www.mstage-healthcare.jp/
「すべては持続可能な医療の未来をつくるために」をミッションに、医師のキャリア支援と医療機関向け採用支援、産業医を軸とした企業向け健康支援サービスを運営。企業向け健康支援サービスは、産業医の手配と業務支援を担う「産業医サポートサービス」をメインに利用事業所数800件を突破(2019年6月現在)。日本の働き方改革推進に貢献しています。

■エムステージグループについて

https://www.mstage-corp.jp/
2003年、株式会社メディカル・ステージ(現 株式会社エムステージ)を設立。医師の転職や定期・スポットアルバイトの求職を支援する「Dr.転職なび」「Dr.アルなび」で医師の柔軟な働き方を切り開き、医療機関の採用課題を解決してまいりました。2016年からは企業の産業保健活動を支援する「産業保健サポート」を開始。働く人の健康に寄与し、予防医療の観点から医療費の削減に貢献しています。2019年10月、ブランドリニューアルを行い、産業保健・医療人材・医療経営の3つの領域から医療課題の解決を図るエムステージグループとして再スタートを切りました。

<取材に関するお問い合わせ>
株式会社エムステージホールディングス  広報:本多
TEL: 03-6867-1170/FAX: 03-6867-1171/MAIL: y.honda@mstage-corp.jp

商号  : 株式会社エムステージ
代表者 : 代表取締役 杉田 雄二
設立  : 2003年5月
資本金 : 6,250万円
所在地 : 〒141ー6005 東京都品川区大崎2-1-1 ThinkPark Tower5階
事業内容: 企業向け健康経営支援、医師人材総合サービス、医療機関向け採用支援