新型コロナウイルス関連の医師向けアンケート結果。「新型コロナウイルスによるマスク不足など医療機関での影響に関して」。―1人1日1マスク、マスク配給制などー

医師人材総合サービスを提供する株式会社エムステージ(東京都品川区、代表取締役:杉田雄二)は、新型コロナウイルスによるマスク不足を受け、「Dr.なび」登録の医師向けに緊急アンケートを実施しました。

■結果概要とポイント

・勤め先の病院で、新型コロナウイルスへの対応が十分と回答した医師は16%、普通が64%、十分ではないが20%でした。
⇒感染対策チームを設ける、中国人患者対応のための中国語の問診票の作成など、従来の感染症対策に加えた、新型コロナウイルス向けの対策をとっている医療機関もある
⇒一方で新型コロナウイルスに関しての情報がまだ少ないため、予防法や対処法を決められていない医療機関もある。

・マスクや消毒液の不足による業務への支障については、支障があると回答が13.6%、支障がないと回答は86.4%でした。
⇒マスクの使用制限や、マスクなしで外来をせざるを得ないなど、新型コロナウイルスへの感染ではなく他の感染症への感染の不安を感じる。
⇒現状、マスクや消毒液による不足はないが、入荷の目途がたっていない医療機関もあり、今後の診療に不安を抱えている。

マスクや消毒液の不足による今後の懸念事項:
・新型コロナウイルスへの感染よりも、他感染症への予防ができず感染症が拡大する。
・手術や結核病棟など、マスクや消毒液が必須の場面で使用ができない。

■アンケート項目

1.先生が実施されている日常生活での予防法について
2.3.新型コロナウイルスの貴病院の対策について
4.5.一般用・医療用マスクや消毒液の不足による業務への支障について
6.今後マスクや消毒液の不足より考えられる業務上の支障や懸念点(他疾患含めた感染など)について
7.その他、新型コロナウイルスに関するコメント

■アンケート結果

<1>先生が実施されている日常生活での予防法について教えてください。(回答数206 抜粋)

▼回答者ほぼ全員が「何か実施している」と回答
⇒主に手洗い・うがいを実施しており、その他アルコール消毒やマスク着用など、この時期特有の感染症であるインフルエンザやノロウイルスや風邪、これから始まる花粉症と合わせて予防をしていることが伺えました。

<2>新型コロナウイルスに関して、貴病院での対策は十分でしょうか?(回答数206)

<3>質問2 に関して自由回答(回答数82 抜粋)


▼「はい(十分)」の回答

”緊急体制をとっています。感染に関する対策室も設置しています。” (感染症科)
”医局を通じて、全医師へ感染対策室から諸対応についてメールがきている。” (消化器内科)
“日中の外来や夜間の救急外来の発熱患者で、武漢への渡航歴や濃厚接触歴のある人への対応のフローチャートを作成している。”(糖尿病内分泌科)
“中国語の問診票を作成して、一般患者と接しない個室に直ちに案内する。問診票で疑わしい病態なら診察せず保健所へ報告して指示を仰ぐ。”(循環器内科)  

▼「いいえ(不十分)」の回答者

”患者が来れば待合室などで感染する可能性は十分あると思う。” (眼科)
”現在は診察する方向であるが,中国人観光客はすべてお断りする方針のようである。” (精神科・一般内科)
“ゴーグルや防御服がない。”(眼科)
“マスクの在庫不足。”(消化器内科)
“危機感がない。”(リハビリテーション科)
“発熱者のための診察室が分離されていない。”(外科)
“コロナウイルスに対する根本的な知識不足があり、予防法や対処法がきっちり決めきれていない。”(総合診療科)
“ごく一般的な注意喚起。厚労省からの通知と思われる文書が各部署に配布された。”(整形外科)

▼「普通」の回答者

”指定施設ではないため、日常の感染対策をしている。” (循環器内科)
”インフルエンザウイルス対策などと同様。” (内科)
“指定施設になりました。昨日迄は疑い症例の受診はありませんでした。冬のイベントが始まっており、訪問客は少なくなると予想しますが、人の密集した中に中国人も来るでしょう。緊張します。”(呼吸器外科)
“一般のかぜと同程度の対策。”(小児科)
“頻回の手洗いうがいを呼びかけている。”(眼科)
“新型コロナウイルスによる肺炎疑い患者受診時のマニュアル策定。”(消化器内科)
“一般的な感染流行期の対策を行っている。”(呼吸器内科)

<4>一般用・医療用マスクや消毒液が不足していますが、それらの不足により業務に支障はありましたか?(回答数206)

<5>質問4 に関して、自由記述(回答数86)

▼「はい(支障がある)」の回答者

”マスクが1人1枚制となり、汚れた際の交換ができなくなった。” (放射線科)
”更衣室など比較的自由にマスクが持ち出せる場所のマスクが設置されなくなりました。” (乳腺外科)
“マスクは納入がストップして、1か月5枚の配給制になった。”(外科)
“マスクが少なくなり、一人一日マスク一個に制限しています。”(呼吸器外科)
“常勤先ではないがバイト先でマスクがないと言われた。実際使用しなかった。”(腎臓内科)
“(マスクが)頻回に交換できない。”(消化器内科)
“マスクをつけずに外来するように言われてしまった。”(呼吸器内科)

▼「いいえ(支障がない)」の回答者

”支障はないが消毒液は入荷できないとのことで、代替品を入荷することとなった。” (精神科)
”今のところ職員用は確保されています。” (麻酔科)
“今はまだ足りているが、今後払底する可能性もあり。”(一般内科)
“何とか卸からマスクを確保した。”(産婦人科)
“今のところ支障ないが使用制限が発令された。本部から供給不足となる危険性あると連絡あった。”(循環器内科)
“大きな支障はないものの、マスクがサージカルマスクではなくなった。”(外科)
“現時点では支障はないが、マスクの納入予定が立たず今あるマスクをやりくりしてゆく必要がある。”(総合内科)

<6>今後、マスクや消毒液の不足より考えられる業務上の支障や懸念点(他疾患含めた感染など)にはどのようなものがありますか?(回答数206 抜粋)

”同じマスクを長期使用する。最悪の場合手術数制限等が予想される。” (消化器外科)
“医療従事者の一般病原菌への暴露率も高くなり、院内感染などが増加することが懸念される。”(泌尿器科)
“感染対策全般ができなくなる。”(内科)
“他院では、外部者によるマスクや消毒液の盗難の事例があったと聞いた。”(放射線科)
“心理的な不安が拡大すること。”(消化器科)
“マスクを付けずに外来はしたくない。”(外科)
“インフルエンザなども含めた上気道炎を扱う職場なのでマスクが不足するとかなり困ります。また処置や予防接種の時にアルコール綿を使いますし、診察室内の消毒などで頻繁に消毒液は使いますので消毒用アルコールなどの不足は業務に支障を来すと思われます。今のところは双方とも手に入る状況ではありますが。”(耳鼻咽喉科)
“新型肺炎だけでなく特に人間ドック健診業務では、受診者はインフルエンザの潜伏期、肺結核などでも無症状のキャリアーの可能性があり、その防御については日常的に懸念がある”(神経内科)
“地域上、肺結核疑いの患者さんも多く救急搬送されるため、マスクがないと受け入れ困難になる。”(消化器内科)
“マスクは他物品で代用できるが、消毒液の不足は本来必要な方々(免疫抑制患者や担癌患者)にまで行き渡らなくなるのではと心配している。”(眼科)
“マスクなしでの診療を強いられる可能性があり、院内で流行が起きる事も避けられない。”(内科)
“外科手術など、絶対にマスクや消毒液が必要となる業務に制約が出ないか心配。”(総合内科)
“結核病棟に入れない。”(精神科)
“感染性胃腸炎やインフルエンザが流行したときの標準予防策が困難となる可能性がある。”(一般内科)  

<7>その他、新型コロナウイルスに関してコメントがあればお願いいたします。(回答数79 抜粋)

“死亡例の患者背景が知りたい。”(放射線科)
“特定の対象者だけでなく広く気軽に検査を行えるようにしてほしい。”(一般内科)
“情報が錯綜し対応が後手に回ったことは遺憾である。先日抗HIV薬の使用による改善例が報告されていたが理屈としては理にかなっており、日本でも緊急事態に対して合理的な治療が可能な非常時体制が整備されることを期待する。”(内分泌科)
“common diseaseとなると予想。”(呼吸器内科)
“未知の部分が多く不安。中国人がいると過度に身構えてしまう。”(外科)
“致死率を正確な値で知りたい。”(眼科)
“騒ぎすぎ感があるが、この対策でインフルエンザの罹患率が下がっているようなので助かっている。コロナウイルスの流行がなくても毎冬このくらい警戒して感染対策をすればいいのに、と思う。”(内科)
“無症状なのに保菌しているという方は見分けがつかないので心配です。”(感染症科)

■考察

・新型コロナウイルスの予防や対策に関しては医療機関各々異なっているが、従来の感染症対策を強化するなど、できる対策を講じている。
・一方でマスクや消毒液の過度な買占めによりそれらが不足することで、医療従事者が医療行為ができなくなってしまうのは本末転倒であり、正確な情報の共有と一般の冷静な行動が求められる。
・罹患者数、死亡者数など、感染が拡大していることはわかるものの、死亡例の患者背景や正確な致死率など、医療現場がほしい情報がまだ得られていないこともあり、不安を抱えている医師も多い。

■アンケート概要

「新型コロナウイルスによるマスク不足など、医療機関での影響について」
集計期間:2020年2月6日(木)~2月9日(日)
有効回答数:206名(男性:167名・女性:39名)
対象:「Dr.なび」会員医師
方法:インターネット調査(会員医師へのメールマガジンにより回答フォームを送信)

※引用・転載時のお願い
本アンケート結果の引用・転載時には「株式会社エムステージ」と弊社クレジットを明記ください。

■「Dr.なび」について

「Dr.転職なび」:https://tenshoku.doctor-navi.jp/
「Dr.アルなび」:https://arbeit.doctor-navi.jp/
株式会社エムステージが運営する医師向け転職求人サイト、アルバイト求人サイトで、会員医師数は24,000人(2020年2月現在)。多様な働き方を推進し、医師の不足・過重労働などの課題解決を目指しています。日本全国の専任担当者が「医師が本当に欲しい情報」にこだわり、詳細な求人情報を収集。質の高い情報を提供することで医師の求職を支援します。
「Dr.アルなび」では、マイページ内で応募から勤務まで完結する独自システムを提供し年間3万件のマッチングが成立しています。

■エムステージについて

https://www.mstage-healthcare.jp/
「すべては持続可能な医療の未来をつくるために」をミッションに、医師のキャリア支援と医療機関向け採用支援、産業医を軸とした企業向け健康支援サービスを運営。企業向け健康支援サービスは、産業医の手配と業務支援を担う「産業医サポートサービス」をメインに利用事業所数800件を突破(2019年6月現在)。日本の働き方改革推進に貢献しています。

■エムステージグループについて

https://www.mstage-corp.jp/
2003年、株式会社メディカル・ステージ(現 株式会社エムステージ)を設立。医師の転職や定期・スポットアルバイトの求職を支援する「Dr.転職なび」「Dr.アルなび」で医師の柔軟な働き方を切り開き、医療機関の採用課題を解決してまいりました。2016年からは企業の産業保健活動を支援する「産業保健サポート」を開始。働く人の健康に寄与し、予防医療の観点から医療費の削減に貢献しています。2019年10月、ブランドリニューアルを行い、産業保健・医療人材・医療経営の3つの領域から医療課題の解決を図るエムステージグループとして再スタートを切りました。

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株式会社エムステージホールディングス  広報:本多
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商号  : 株式会社エムステージ
代表者 : 代表取締役 杉田 雄二
設立  : 2003年5月
資本金 : 6,250万円
所在地 : 〒141ー6005 東京都品川区大崎2-1-1 ThinkPark Tower5階
事業内容: 企業向け健康経営支援、医師人材総合サービス、医療機関向け採用支援