メンタルヘルス不調での社員の休退職を経験した企業→93.3% 「メンタルヘルス休職復職対応」セミナーを開催

エムステージは、企業の人事・労務担当者向けに、メンタルヘルス対応を学ぶことのできる「メンタルヘルス休職復職対応セミナー」を、7月21日に開催いたしました。

■ポイント

  1. 2016年度の精神障害等の労災件数は過去最大の請求1,586件、認定498件
  2. 参加企業の93%が3年以内に「メンタルヘルス不調で従業員が休退職した」
  3. 今企業がすべきは「長時間労働対策」「ハラスメント防止対策」「メンタルヘルス対策」
  4. 職場復帰支援は、休業開始から職場復帰後のフォローまで、プロセスを管理する
  5. 信頼できる産業医とのタッグが鍵

■開催の背景

6月30日に厚生労働省が公表した平成28年度の「過労死等の労災補償状況」によると、精神障害に関する労災件数は請求・支給決定ともに前年度増となりました。年々増加の一途を辿り、労働者のメンタルヘルスは大きな社会問題となっています<図1>。

今回のセミナー参加企業へ実施したアンケートでも、「この3年間にメンタルヘルス不調で休職あるいは退職した人はいましたか」という問いに対して、93%の企業が「ある」と答えています<図2>。職場のメンタルヘルス対応は、企業にとって避けられない問題となっているのです。

<図1>精神障害等の労災認定件数
出典:2016年度「過労死等の労災補償状況」厚生労働省
<図2>メンタルヘルス不調による休退職者数

■講座の主な内容

人事・労務担当者向けに開催した、今回の「メンタルヘルス休職復職対応セミナー」には、17社の企業・医療機関の方々が参加されました。アンケートによると参加する前の課題として、「適切な復職プログラム設計ができていない」、「従業員からメンタルヘルス不調の相談を受けることが多い」といった問題点を挙げる方が多く見受けられました。

特定社会保険労務士の舘野氏を講師に招き、職場のメンタルヘルスを取り巻く社会状況から、企業として何をすべきかを解説。その後、メンタルヘルス対応の方法を「労働者の心の健康の保持増進のための指針」と「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」に基づいて、具体的にレクチャーしました。合間には参加者同士で自社の取り組みの現状をディスカッションする時間もあり、情報交換の場ともなりました。

♢企業として対策すべき3つのこと

「長時間労働対策」「ハラスメント対策」「メンタルヘルス対策」
メンタルヘルスに影響を与える長時間労働とハラスメントへの対策を、企業は最低限行う必要があります。さらに、労働契約法第5条では「安全配慮義務」が定められており、企業には、労働者の生命や身体を危険から保護するように配慮すること、メンタルヘルス不調者が働くことによって悪化しないように配慮することが義務付けられています。

♢職場復帰支援はプロセスの管理が重要

「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」では、休業開始から職場復帰後のフォローアップまでの職場復帰支援を、5つのステップにわけています。特に第1ステップの休業開始、第2ステップの主治医による職場復帰可能の判断、第3ステップの職場復帰の可否判断および職場復帰支援プランの作成は、職場復帰支援を正しく行う上で重要な要素となります。

♢メンタルヘルス対応のキーパーソンは産業医

セミナーでキーパーソンとして度々出てきたのが「産業医」。例えば、メンタルヘルス不調に気づくためにも産業医による面談指導が必要です。また、休職者の回復状況の判断における意見書、主治医との情報交換、就業上の配慮の判断など、メンタルヘルス対応への関わりは深く及びます。

産業医がメンタルヘルスに関わることは、2000年に公表された「事業所における労働者の心の健康づくりのための指針」から明記されています。17年も前から産業医の役割は明確に定められていました。その上、今年6月に公表された「働き方改革実行計画を踏まえた今後の産業医・産業保健機能の強化について」では、さらに産業医の機能を強化することが示されています。企業がタッグを組む産業医は、この役割を全うできる医師を選任する必要があるのです。

「最新判例をまじえた説明やQ&Aがとても参考になりました」
「短時間でありながら実務的な内容で有用でした」
セミナーの感想として、アンケートから上記のようなコメントをいただきました。今後もエムステージでは、産業医事業を通じて健康に働くことのできる環境づくりに寄与して参ります。

■講師プロフィール

舘野 聡子(たての さとこ)
特定社会保険労務士/シニア産業カウンセラー/メンタルヘルス法務主任者/経営倫理士/21世紀職業財団認定セクハラパワハラ防止コンサルタント/MBTI認定ユーザー/NLPマスタープラクティショナー/アサーティブジャパン認定トレーナー
民間企業に勤務後、社労士事務所に勤務。その後「ハラスメント対策」中心のコンサル会社にて電話相談および問題解決のためのコンサルティング、研修業務に従事。産業医業務を行う企業で、予防のためのメンタルヘルス対策とメンタル疾患の人へのカウンセリングに従事。2015年に社労士として独立開業、エムステージでは産業医紹介事業の立ち上げにかかわる。

■開催概要

「メンタルヘルス休職復職対応セミナー」
日時:2017年7月21日(金)15:00~17:30
会場:アットビジネスセンター東京駅 406号室

■次回の開催

「産業医業務 基礎・実践講座(復職対応と就業規則編)」※医師向け
日時:2017年9月16日(土)13:00~15:00
会場:株式会社エムステージ内会議室

<本件に関するお問い合わせ>
株式会社エムステージ(M.STAGE CO.,LTD)
広報:関矢 瑞季(せきや みずき)
TEL:03-5437-2950/FAX:03-5437-2951
MAIL:m.sekiya@mstage-corp.jp

※PDF版はこちらをご覧ください
【プレスリリース】メンタルヘルス休職復職対応セミナー20170804